龍と虎に愛されて。
『22時になったら明菜の部屋に行くから』
さっき交わした約束。
消灯時間は21時。
あと数分で消灯時間になる。
早く明菜に会いたい。
早く明菜を抱きしめたい。
そんな想いばかりが胸の中で溢れだす。
「そろそろ見回り来るし、電気消してもいいかな?」
あまり喋ったことのないクラスメイトが、オドオドしながら俺に話しかける。
「……ああ」
俺はすぐに部屋を抜け出せるよう、扉から一番近い布団にもぐりこんだ。