龍と虎に愛されて。
第四章

悪夢、再び―明菜サイド―


―――明菜サイド―――


「小林君からまだ連絡ないの?」


真っ暗な部屋の中で布団に寝転びながら携帯を握り締めるあたし。


隣の布団で寝ていた瑞穂が不思議そうに尋ねた。


「うん……メールも返ってこないし」


「もう寝ちゃったのかね。そろそろ寝ないと明日きついよ?」


「そうだね。あたしももうすぐ寝るから、瑞穂、先寝て?」


慣れない山登りをしたせいだろう。


部屋の中にいる他のクラスメイト達は気持ちよさそうな寝息を立てて眠っている。

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