龍と虎に愛されて。
それからしばらくの間、俺は快適なスクールライフを満喫していた。


友達もいなければ、喋る相手もいない毎日。


でも満足だった。


学校が終われば、暑苦しいヅラと伊達メガネを外して中学時代の仲間とつるんでいられたから。


それなのに、一人の女のせいで俺の学園ライフが脆くも崩れ去った。


そう。それが……佐和明菜。


『ねぇ、あたし寝るから後でノート写させてくれない?』


『あたし、今日用があるんだ。悪いんだけど、掃除当番変わって?』


夏休み明け、席替えで隣の席になった佐和は事あるごとに俺をパシリに使った。

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