龍と虎に愛されて。
部屋に入るなりポケットの中の携帯を取り出して、龍心からの連絡を確認する。
メールも電話も何もない。
「……来てない……よね」
昨日の肝試しから、龍心とあたしの間に見えない壁が出来てしまったみたい。
……ううん、違う。
あたしが杉崎君とトイレに隠れて龍心に見つかったあの時からだ。
「あぁ〜!!もう!!!」
心の中がモヤモヤして、晴れてくれる気配が一向にしない。
あたしはベッドの上で頭を抱えた。