龍と虎に愛されて。
「何?なんかあったの?」
不思議に思って聞き返すと、ママは思わぬことを言い始めた。
「今日ね、小林君がうちに来たのよ。少しの間、明菜の家庭教師をお休みさせてほしいって」
「え……?なにそれ。どういうこと?」
驚いて聞き返すと、ママは不思議そうに首を傾げた。
「それが、ママにもよく分からないのよ。それだけ言って帰っちゃったから」
「そんな……」
あたしはポツリと呟き、呆然とその場に立ち尽くした。