龍と虎に愛されて。
「……あのっ、……小林……くん?」
「何だよ」
しばらくすると落ち着きを取り戻したのか、佐和が恐る恐る俺に近付いてきた。
「……あのさ、何でカツラなんて被ってたの?何で金髪なの?」
「俺はひっそりと高校生活を送りたかったんだよ。それなのに、お前にパシられてストレスが溜まっててさ。どうしてくれんだよ?」
「……ごめんなさい。パシリにしたつもりは……」
「パシリにしたつもりはないって言いたいわけ?」
俺がギロッと睨みつけると、佐和はオドオドしながら謝った。
「ごめんなさい、で済んだら警察いらねぇんだよ。それにあいにく俺は根に持つタイプなんだよ」
「ごめんなさい……!本当にごめんなさい……!!」
佐和はその後も、何度も何度も床におでこをくっ付けて土下座した。