龍と虎に愛されて。
「あたしが杉崎君とキスしたり、龍心との約束守らなかったから……だから龍心はあたしに幻滅したんでしょ!?」
「そんなこと言ってねぇだろ?ちょっと落ち着けよ!!」
「落ち着けるわけない!杉崎君との事はあたしに落ち度があるのは分かってるよ?分かってるから……龍心に許してもらおうと必死になってるのに……。あたしどうしたらいいの?」
「だから落ちつけって言ってんだろ」
俺は明菜が嫌いになったわけじゃない。
嫌いになれるはずがない。
大虎とのことを根に持っているわけでもない。
ただ、明菜が好きだから。
好き過ぎて不安になる。
明菜を縛り付けて、自分の感情を明菜に押し付けてしまいそうで……。
明菜を傷付けてしまいそうで怖いんだ。
それを、なんていう言葉で表せばいいのかよく分からない。