龍と虎に愛されて。

近くのコンビニのATMでお金を下ろして動物病院に入ると、すぐに子猫の診察をしてくれた。


「失礼ですが、飼い主さんですか?」


「いえ、違います。さっきそこの道路で拾って……」


「そうですか。分かりました」


診察室に呼ばれて、スヤスヤと寝ている子猫に駆け寄る。


あたしの横で杉崎君と獣医はなにやら話し込んでいた。



「栄養失調ですね。とりあえず今から処置をしますが……その後は……」


保健所に連れていくのを暗に匂わせる獣医に杉崎君が顔をしかめる。
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