龍と虎に愛されて。
「じゃあ、また明日。チビをよろしく」
玄関先まで見送られ、俺は小さく頷いた。
そして抱えていた段ボール箱を床に置き、俺は無言で大虎の頬を殴りつけた。
不意打ちだったためか、大虎はまともに受け身をとれずに痛みに顔を歪ませた。
「これで、チャラにしてやるよ」
今までの事を全て水に流してやる。
明菜の感じた恐怖は、大虎を一発殴ったくらいで消えやしない。
100発殴っても消えないだろう。