龍と虎に愛されて。
「……あっ」
玄関の扉を開けると、そこには母と見知らぬ女性が立っていて。
「明菜、おかえり」
「ただいま」
「あらっ。あなたが明菜ちゃん?いつも龍心がお世話になっているみたいで」
すると、女性は振り返るなりニコッと愛嬌のある顔で笑い、頭を下げた。
目がパッチリとしていて、とても綺麗な人。
初対面のはずなのに、何故か親近感を感じて。
ぼんやりと女性を見つめるあたしに、ママが慌てて付け加えた。
「明菜、小林君のお母さんよ。ちゃんと挨拶しなさい」
「え……?龍心のお母さん!?は、初めまして!!佐和明菜です!!!」
驚いて目を見開くと、龍心のお母さんはクスクスと目を細めて笑った。