龍と虎に愛されて。
優しさに触れて―明菜サイド―
―――明菜サイド―――
「そろそろなんか、食わねぇ?腹減った」
「うん!そうしよう!!」
お昼になり、あたしは待ってましたとばかりに大きく頷いた。
龍心に内緒で作ったお弁当。
今まで料理なんてろくにしたことがなかったから、段取りが悪くて龍心との待ち合わせ時間に遅刻してしちゃったけど。
申し訳ない気持ちで待ち合わせ場所に向かうと、龍心は派手な二人組の女の人と楽しそうに話していて。
龍心の知り合い?それとも……。
色々な考えが頭に浮かび、あたしは謝ることを忘れて龍心を責めていた。
あたしが怒るなんて、筋違いもいいところ。
遅刻したあたしが悪いんだもん。
もう少し大人にならなきゃだなぁ。