龍と虎に愛されて。
嘘……。早坂先輩なの……?
隣のカップルが早坂先輩だと気付いて、あたしは目を見開いた。
「テメェ、女の前だからって調子こくんじゃねぇぞ?!」
一瞬躊躇う表情を見せたものの、先輩はなおも龍心に食ってかかる。
「いやいや、それを言うならあんたの方でしょ?彼女の前でしかイキがれないんだし。まぁでも彼女、先輩にお似合いですよ?性格ブスだし」
「……――テメェ!!」
「先輩って昔からそんな感じですよね。弱いからって大声出して威嚇することしか出来なくて」
クックッと喉を鳴らして笑う龍心に、早坂先輩は悔しそうにギュッと唇を噛み締めた。