龍と虎に愛されて。
でも、その人の人間性は見た目だけでは分からない。
見ず知らずの人を小馬鹿にするようなことを言った早坂先輩。
それに幻滅したと同時に、以前龍心をバカにするような態度を取っていた自分を恥じた。
「……龍心……今までごめんね」
「何で謝るんだよ。つーかさっさと食え。まだ園内回り終えてねぇぞ」
「……――了解!!!」
あたし、龍心と付き合えてよかった。
龍心を好きになれてよかった。
龍心に愛されて……、あたしは世界一の幸せ者だ。
あたしは目の前で美味しそうにおにぎりを頬張る龍心を見つめて、そんなことを考えていた。