龍と虎に愛されて。
「分かったよ。耳貸せ」
龍心はおもむろに立ち止まり、あたしの耳元にそっと手を添えた。
それだけのことなのに、心臓がドクンドクンと高鳴りだして顔が火照り出す。
「愛してる」
その言葉と耳にあたる吐息。
頭の中がクラクラして思わず俯くと、龍心はふっと笑いながらあたしの頭をポンポンっと叩いた。
「安心しろ。俺はいつだってお前の傍にいてやるから」
「……それなら、あたしもずっと龍心の傍にいてあげる!!」
「ずいぶん上から目線だな」
「龍心こそ」
あたし達は互いに目を合わせてクスっと笑い合った。