龍と虎に愛されて。

リビングに通されて、出されたコーヒー。


一口飲むと、俺は間を置いて話を切り出した。


「今まで騙しててすみません。とっくに気付いていたかもしれませんが、俺は……――」


「そんなに改まらないで?そんなことより、何でうちにくるときに変装なんてしていたの?」


「俺は昔からこんな感じです。髪も染めてるしピアスもしてる……。だから……」


「そんなことを気にしてたの?私はそんなの気にしないわよ」


「え……?」


おばさんがニコッと笑うと、隣に座っている明菜もつられて微笑んだ。

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