龍と虎に愛されて。

「へぇ~。本気で明菜ちゃんのこと想ってるんだ。俺の負けか」


杉崎君は頭をポリポリと掻きながら苦笑いを浮かべる。


「当たり前だろ」


「じゃあさ、明菜ちゃんは龍と虎……どっちが好き?」


龍と虎……?


杉崎君の質問の意味が分からず戸惑う。


だけど、龍か虎かって聞かれたら……――。


「……どっちかっていうと……虎かな?」


「明菜ちゃんは俺の方が好きだってさ」


「バカ女。引っかかるんじゃねぇよ」


「え?どういう意味!?」

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