龍と虎に愛されて。
「俺の名前、大虎じゃん?」
「あ、そっか!じゃあ龍の方がいい!!」
「撤回禁止だからね」
「なんで!?あたしは龍の方がいい!!」
ムキになってそう言うと、杉崎君は意地悪く笑った。
「ねぇ、明菜ちゃん。龍と虎に愛された気分は……?」
龍と虎に愛された気分って言われても、分かんないよ。
それに、杉崎君はただあたしをからかってるだけでしょ……?
だけど……あたしは……――。
「……龍に愛されたい」
あたしは、龍心にだけ愛されたい。
そして……、龍心だけ愛したい。