龍と虎に愛されて。
「これ、買うの?」
「……――っ!!ごめんなさい!!」
「いや、俺こそごめん。無神経だった」
彼女は顔を真っ赤にして恥ずかしそうに俯く。
これ持ってくるの……、すげぇ勇気が必要だっただろうな。
カゴの中の雑誌は、成人雑誌という名のエロ本で。
この本を買いたいと言い出した張本人は、いまだに雑誌コーナーをうろついている。
こんな本を女一人で買いに行かせるとか、どういう神経してんだよ。
ありえない。
しかも、この本をこの子の金で買わせるんだろ?
「ねぇ、悪いんだけど彼氏呼んできてくれない?」
「えっ……?はい。分かりました」
彼女は困惑しながらも、雑誌コーナーにいた男をレジの前まで連れてきた。