龍と虎に愛されて。
「何だよ」
レジの前にやってきた男は、俺を睨み付けながらすごんでみせる。
俺は穏やかな表情を崩さずにこう切り出した。
「申し訳ございませんが、こちらの雑誌は18歳未満に販売することを禁じられております」
「ハァ?テメェ、なんなんだよ!!」
なにって、ただのコンビニ店員に決まってるだろ。
「お客様は……高校生ですよね?もし18歳以上でしたら、身分証明書をご提示頂けますか?」
そう問いかけると、男は眉間にシワを寄せた。
ほんの少し、痛い目にあわせてやろうと思っただけ。
だけど、男は怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にした。
「……――クソッ!!そんなもんいらねぇよ!!」
よほど悔しかったのか、男は吐き台詞を吐くと一人で店を後にした。