龍と虎に愛されて。
「あっ……――!!マサ君……――!!」
「……――ねぇ、君!!ちょっと、待って!!」
男を追いかけようと駆け出そうとした女。
俺は思わず女を呼び止めた。
「え……?あたしですか?」
「そう、君。名前、なんて言うの?」
「に、新山優華(にいやまゆうか)です」
「ふぅん。優華って可愛い名前だね」
「あっ、あの……」
「俺、杉崎大虎(すぎさきたいが)。よろしくね」
「は、はい!!よろしくお願いします。じゃあ、これで」
優華ちゃんは丁寧に頭を下げると、コンビニを飛び出していった。