龍と虎に愛されて。
その時、明菜ちゃんが何気なく呟いた。
「優華ちゃん……大丈夫かなぁ」
優華って……さっきの子か?
俺は思わず聞き返した。
「優華ちゃんって、新山優華ちゃんのこと?」
「えっ?杉崎君、優華ちゃんのこと知ってるの?」
「知ってるっていったら、知ってる。で、何かあったわけ?」
「実は今、コンビニの外で優華ちゃんに会ったんだ。その時、優華ちゃんと彼氏が喧嘩してたから、気になって」
「喧嘩?なにそれ。どういうこと?」
「彼氏のほうが一方的に優華ちゃんを攻めてる感じだったの。お前のせいだとか言ってて……――」
明菜ちゃんの言葉に、さっきまでの出来事が頭の中に蘇る。