龍と虎に愛されて。
もしかして、俺があの男に余計なこと言ったからか?
俺が煽るようなことを言ったからあの子は……――。
「優華ちゃん達って、まだ外にいる?」
「ううん、もういないと思う」
「そっか……」
頭の中に浮かぶのは、男に怒鳴られて体を縮こまらせる優華ちゃんの姿。
嫌なことを押し付けられたのに、健気に笑っている優華ちゃんの姿を思い出すと、胸が締め付けられて。
「その子、お前の特別な女?」
横で話を聞いていた龍心は口の端をクイッと上に持ち上げた。