龍と虎に愛されて。

「なんでそう思うわけ?」


「大虎が特定の女の話するのって珍しいだろ。で、どうなんだよ」


「……さぁね。気になるって言ったら、気になる。だけど、女として意識してるわけじゃない」


「へぇ。素直じゃねぇな」


龍心は口元を緩ませながら、からかい口調で俺を煽る。


素直じゃない……か。


確かに、俺は素直じゃない。


だけど、今、優華ちゃんを好きかどうかと聞かれたら、自分でも分からない。


特別かどうかなんて、分かるわけもない。


今日、初めて言葉を交わして、名前を知ったばかりなんだから。



< 387 / 478 >

この作品をシェア

pagetop