龍と虎に愛されて。


「そういえば、明菜ちゃんと優華ちゃんはどんな関係なの?」


「優華ちゃんとは、中学の同級生なんだ」


「中学の……同級生か」


「そう。優華ちゃんってね、昔から誰にでも優しくて、温かい子なの。困ってる人がいると必ず手を差し伸べてくれる……そんな子。だから、変な男に引っかかったのかもって心配だよ」


「そっか」


「だって、優華ちゃんの彼氏……いい人とは思えないもん」


明菜ちゃんは表情を曇らせる。


「大声で女を怒鳴り散らすなんて、最低最悪な男だな。あの子、すげぇ怯えてたし」


龍心が最低最悪と思うなんて、相当だ。


「確かに……、あいつは最低最悪の男だね」


優華ちゃんの気持ちを何も考えていない。


そう答えたとき、奥の休憩所から店長が顔を出した。


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