龍と虎に愛されて。
「そのボサボサな髪の毛なんとかして、メガネ外すだけで見た目かなり変わるって」


「そうですか?」


「そうだよ!それにその敬語もやめなよ。あたし達、同い年なんだし。下手に出るから他の男子にバカにされるんだって」


小林がクラスメイトの男子にからかわれている場面をよく目撃した。


小林はそんな時、表情ひとつ変えない。


ちょっとでも怒ったり、悲しんだりすれば相手も満足するはず。


だけど、小林は感情を一切出さないからからかう側も最後には困惑する。



すると、少し考え込んだ後小林が口を開いた。


「……――そうする。この喋り方すげぇ疲れるし」


「……は?」


えっ……?あんた……誰?


小林の豹変にあたしは固まり、口をポカーンと開けた。

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