龍と虎に愛されて。

「テメェ、どういうつもりだ!?」


リカちゃんを失ったことがショックなのか、血走った目で俺を睨み付ける男。


俺は男の目をまっすぐ見つめて答えた。


「別に。ただ、本当のことを言っただけ。浮気してたのは、事実だろ?」


「……浮気?何言ってんだよ。俺と優華が付き合ってるわけねぇだろ!!」


「ふぅん。じゃあ、あんたにとって優華ちゃんはどういう存在なの?」


「ただのパシりに決まってんだろ。好きなときに呼び出して、用を頼むだけ。俺が好んであんな地味でブスな女と付き合うわけねぇだろ!!」


こいつはやっぱり、優華ちゃんを大切になんて思っていなかった。


優華ちゃんがどんな気持ちでいたかなんて、分かろうともしない。
< 417 / 478 >

この作品をシェア

pagetop