龍と虎に愛されて。
縮まる距離
「ねぇ、杉崎君~。最近あの子、よく来るね?」
「……ですね」
レジに立っていた俺の横腹をパートのおばさんが肘でつつく。
本人は軽くやっているつもりらしいが、案外地味に痛い。
「あんた、可愛い顔してるもんねぇ。おばさんももう少し若ければ、杉崎君と付き合いたかったわぁ~!!」
「う~ん……、それは……」
俺が苦笑い浮かべたとき、レジにやってきた客が缶コーヒーを差し出した。
「こ、こんにちは!!」
「今日も来てくれたんだ?」
「う、うん!!」
ここ最近、優華ちゃんは毎日のようにこのコンビニにやってきて、缶コーヒーを一本買う。