龍と虎に愛されて。
「ねぇ、あいつとは別れたの?」
「あいつっていうのは、マサ君の……こと?」
「そう」
コンビニの近くのファミレスにやってきてそう切り出すと、優華ちゃんは視線を手元に落とした。
「別れたっていうか……、付き合ってるって思ってたのは、あたしだけなのかも」
「どういう意味?」
「マサ君があたしのことを好きじゃないのは、分かってたの。だけど、それでもそばにいてほしくて……」
「それは、なんで?」
「誰かに必要とされてるって思うだけで幸せだったの。今まであたしを『好き』って言ってくれた男の子っていなかったから……。高校生にもなって、恥ずかしいけど……」
優華ちゃんは照れくさそうに頭をかいた。