龍と虎に愛されて。
「優華……ちゃん……」
「あたし、明菜ちゃんとこの公園で待ち合わせしてて……――」
「……――会えてよかった。すげぇ、心配した」
俺はベンチから立ち上がるなり、目の前にいる優華ちゃんの体をギュッと抱きしめた。
小さくて強く抱きしめれば折れてしまいそうなほど細い体。
何を話そうか、あんなに考えていたのに。
言葉より先に体が動いて。
ギュッと抱きしめると、優華ちゃんの体温を感じて、胸に熱いものがこみ上げてきた。