龍と虎に愛されて。
好き、嫌い―明菜サイド―
―――明菜サイド―――
「んっ……!んんっ!!」
「暴れんじゃねぇ!」
人気のない公園に連れ込まれ、あたしは絶体絶命の事態に陥っていた。
『何してんの?ちょっと遊ばない?』
無断早退したあたしは、時間を潰すため学校の近くをフラフラと当てもなく歩いていた。
気付くと、辺りはもう薄暗くなっていて。
もうこんな時間か……。
そろそろ家に帰ろう。
そう思っていたとき、数人の男達に声を掛けられた。
『ごめんなさい。ちょっと用があるので』
スキンヘッドやら金髪やらドレッドやらのいかにも危なそうな男達。
その制服から、隣町にある不良高校の生徒であることを察したあたしは、咄嗟に男達から逃げるように駆けだした。