龍と虎に愛されて。
っていうか、さっきのはなんだったの!?
「……あたしのバカ!何で小林にドキドキしてんのよ!!」
小林が教室から出ていった後、自分を責め立てる。
相手は、あの小林だよ!?
ガリ勉で暗くて空気みたいな存在で。
ニコリともしない無表情な男。
もっとも嫌いなタイプの男のはずなのに!!
「もう……帰ろ」
あ~もう!!馬鹿馬鹿しい!!
意外な部分を見せられて、動揺してるだけ。
そう自分を納得させても、いまだにドキドキと胸を高鳴らせているあたし。
あたしは胸のドキドキを紛らわせようと机の横に掛けておいた鞄を取り、教室から飛び出した。