龍と虎に愛されて。

「無理だって~。こいつ、メチャクチャ弱そうじゃん。俺ら5人だよ?」


「お前、早く逃げた方が身のためだって。今なら見逃してやるからさ」


男達は口々に小林をバカにして嘲笑(あざわら)う。


すると、ずっと黙りこんでいた小林が口を開いた。


辺りは薄暗くて、小林がどんな顔をしているのかよくわからない。


だけど、口の端をクイッと持ち上げて意地悪く笑っているような気がした。


「お前がこれからも俺の傍に居るっていうなら助けてやってもいいけど」


「……へっ?」


「約束しろよ。もう俺の傍から離れないって。お前を守れんのは俺だけなんだよ」


< 62 / 478 >

この作品をシェア

pagetop