龍と虎に愛されて。
「てめぇ……覚えてろよ……!!」
小林に一発もやり返すことの出来なかった男達は、悔しそうに唇を噛みしめながら、逃げるようにその場を後にした。
「んだよ。もう終わりかよ」
「こ、小林……?」
どこか物足りなそうな様子の小林に近付いていき、恐る恐る声を掛ける。
「あのっ……助けてくれてありがとう」
小林があんなに強いなんて知らなかった。
小林が来てくれなかったら、あたしはどうなっていたか分からない。
頭を下げると小林は無言のままあたしの腕を引っ張り、公園の奥にあるベンチに連れて行った。