龍と虎に愛されて。
「……小林?」
公園の隅にあるベンチに腰掛けて、隣に座る小林の顔色を伺う。
きっと小林は怒ってる。
余計な手間とらせやがって。
そう思ってるよね。
ううん、それも違うかも。
『あんたなんて大っ嫌い!!!』
生物室でのあたしの言葉に怒ってるのかも。
大っ嫌いは……言いすぎだったかな。
そんなことを言ったくせに、今度は『助けて!!』なんて、都合が良すぎるよね。
怒られて当然だ……。
怒鳴られる覚悟を決めてうつむいた瞬間。
「……もう心配かけんなよ」
かすれた声で呟くと、小林はあたしの頭をポンポンっと叩いた。