龍と虎に愛されて。
「別に退学になったら退学になったでいいし。佐和を助けたこと、後悔してない」
「佐和……?佐和ってお前のことパシってた女だっけ?龍心、その女のこと嫌ってなかったっけ?」
「別に」
何もかもがめんどくさくなり、ベッドの上の雑誌を手に取ると、横に座っていたシンジがクスッと笑った。
「嫌よ嫌よも好きのうちってか?」
「うるせぇな。ちょっと、黙ってろ」
「……――いってぇな!何すんだよ!!」
俺はニヤニヤと笑うシンジの頭を思いっきり叩くと、再び雑誌に視線を戻した。