龍と虎に愛されて。

「お前等の目当ては俺だろ。そいつ、離せよ」


俺は決意を固めて、男達に近付いていった。


「……小林……!!何ででてくんのよ!?」


ここで喧嘩になったら、俺の立場が危うい事に気付いているんだろう。



「あたしなら大丈夫だから早く逃げて!!」


佐和は必死で俺に逃げるよう促す。



「そういうわけにはいかねぇよ」


佐和の気持ちはありがたく頂いておこう。


でも、俺は佐和を守る。


自分の身がどんなに危なくなったって、佐和だけは守りたい。


退学だって、なんだって受けてやる。


『お前を守れるのは俺しかいないんだよ』


自分のした発言を撤回するなんて、男らしくない真似はできない。

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