龍と虎に愛されて。
「……てめぇ、いい度胸してんじゃねぇか。こっちこいよ!」
「……キャ……!いったぁい……!!」
男が突然腕を離したため、佐和は地面に激しく尻餅をついた。
「大丈夫か?」
「うん……。あたしは大丈夫だけど……小林が……」
急いで佐和に近付いていき、腕を持って立ち上がらせると、佐和は顔をゆがめてそう言った。
「俺の心配なんていらねぇよ」
俺は不安げな表情の佐和の頭をポンッと叩くと、男達のいるほうに向き直った。