龍と虎に愛されて。
「一から説明してもらおうか?」
「何を?」
「何を?じゃないだろ!自分のしたこと分かってるのか?」
「ただの喧嘩だし、そんなの良くあることだろ?」
「ただの喧嘩って……!!お前は喧嘩なんてする男じゃなかった……と思ってたんだが、違ったようだな」
「何が言いたいわけ?」
「……というより、お前、本当にあの小林か?」
「……ハァ?」
呆れる俺に、担任は困ったようにポリポリと頭をかく。
職員室の中は異様な雰囲気が漂っていた。
教師達が俺の周りを取り囲み、ジロジロと担任の机に置かれているヅラとメガネを見つめている。