眠る花 ―睡蓮の巫女―
夢は砂嵐と共に
「聖那~、また明日ね!」
「うんっ、また明日!!」
放課後、親友のまいと別れて、あたしは急ぎ足で家路に着いた。
今日はあたし、加藤聖那の17歳の誕生日なんだ。
専業主婦のママが、朝から張り切って「ケーキ作るからねっ」って笑顔で見送ってくれたんだ。
料理上手のママが作るケーキを早く見たくて、さっきからウズウズしてるのっ。
パパもお兄ちゃんも、今日は早く帰るって約束したし。
「早くか~えろ♪」
まだ到達するには早いテンションのまま、あたしは歩いてた。