眠る花 ―睡蓮の巫女―




っていうか…この日本で砂嵐なんか起きるわけッ!?



社会のはげ山先生答えなさいよっ!




ジャリ


ジャリ




「……………ッ!?」




迫りくる砂にあたしは身を縮ませてなんとか持ちこたえていた。

ローファーが砂で擦れて音を出す。



その間にも、砂はもう目前まで来ていた。

あたしは覚悟を決めてギュッと目をつぶる。



思い浮かんだのは、家族と友達の笑顔だった。





―そして





―サァァァ





「き……きゃあああああぁッ!!」





あたしはそのまま砂嵐に呑まれ、意識を失った。


そして、あたしがいなくなった場所には、僅かな砂と鞄だけが、静かにポツンと残されていた……。





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