折れない心
「ねぇ、
 那抖はなんの御祈願したの?」




「そんなの決まってんじゃん」

那抖がにっこりと微笑んだ。




これ以上聞かないでおこう・・・




那抖の笑顔は眩しすぎる。



きっと彼女とずっと幸せに・・・とかでしょ。




「紗茅は?」




「ママが少しでも
 長生きしますように・・・」




「やっぱ一緒じゃん!」




「え・・・?」




「当たり前だろ♪」




「那抖・・・」




「紗茅?」




「んっ・・・ありがと・・・」




あたしはバカだ・・・




那抖のことなんか、少しもわかってやしない。




那抖はこんなにも優しいのに・・・




これ以上何を望むの。




あたしはもう一度手を合わせ、涙が溢れるのを見られないようにした。




「紗茅ぃー。泣くなよ・・・
 よしよし・・・」




那抖はそっと頭を撫でてくれた。




うれしくて、せつなくて・・・

涙が止まらなかった。




欲張りなあたしは、心の中でもう一つお願いをした。







『神様。那抖をあたしに下さい』








それを願うことが、いいことなのかどうかはわからなかった・・・




だけど、あたしの切なる願いだった。
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