折れない心
あたし達はママを病室に連れて行く為に、名雪のことはおばさんに頼んだ。




「よかったな紗茅。
 たいしたことなくて」



「うん、ありがとね。
 那抖いてくれなかったら・・・」




「名雪ちゃんの父親は?」



「飛行機のパイロットだって。
 だからなかなか帰って来れない
 みたい」



「そっかぁ、そりゃ、
 淋しいだろうな。
 名雪ちゃんも、
  ママさんも・・・」




――ゴホッゴホッ!




「ママ!大丈夫?」




「大丈夫よ」




「ママ、わざわざ来てくれて
 ありがとう」




「いいのよ。
 少し疲れたから少し休むわ」




あたし達はママを車椅子から降ろし、ベッドに寝かせてから、病院を後にした。




バス停でバスに二人で乗り、家まで帰った。




那抖は明日も早いからと言って帰って行った。
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