折れない心
「お腹空いたねぇ・・・」




お昼もだいぶ過ぎて、お腹がキュルキュルと鳴ってきた。




「じゃあ、レストラン入ろうか♪」




「うん、そうしよっ♪」




那抖に連れられ、地下にあるイルカが泳ぐのを見ながら食事ができるレストランに入った。




「すごい綺麗だねぇ♪」




那抖はイルカには目もくれず、メニューを見て即決でお子様ランチを注文した。



「お子様のみのメニューに
 なっておりますが・・・」




表情のないウェイトレスにそう冷たく言われ、那抖はぶすっとした。




「じゃあ、カレーライス。
        紗茅は?」




「じゃあ、あたしも同じで」

あたしはそんな那抖がおかしくて笑いながら答えた。



「いいなぁ、お子様ランチ・・・
    旗欲しかったなぁ・・・」




隣のテーブルを見て、まるで餌のもらえない飼い犬のように物欲しそうにしてる。




あたしは、大きな声でもう一度ウェイトレスを呼んだ。




「すみません追加お願いします。
     お子様ランチ一つ!」





「はい。あの、お子様は?」




「後から来ます」




「そうですか」

不審そうにあたしを見てオーダーにカリカリと書き込んだ。




「子供来んの?」




「大きな子供が一人ね」




「ん〜?」
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