折れない心
ウェイトレスが、カレーライスとお子様ランチを一緒に持ってきた。




「お待たせいたしました」





ウェイトレスがいなくなったのを見計らって言った。

「はい、那抖君♪召し上がれ♪」




「え・・・?俺の?」




「うん、そうだよ。那抖のだよ。
     他に誰が来るのよ〜」




「わぁーい♪いただきまぁす♪」




那抖はカレーライスには目もくれず、目をキラキラさせて、チキンライスに立った旗を抜いて高々と上げた。




「旗、持って帰ろうっと♪」




隣の男の子が指を差して「一緒だぁ!」と笑った。




那抖は男の子にウインクしながら旗を振った。




「那抖、口の横に
 ケチャップついてるってば」




あたしはナプキンで那抖の口を拭いてあげた。




まったく、隣の席の子供と変わんないんだから・・・




なんだか、あたしって那抖のママみたいだな。




でも、こんな気取らない那抖が大好きだ。
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