折れない心
お腹いっぱいになったあたし達は、そのまま室内の椅子に座り色とりどりの魚を観察した。




「綺麗だねぇ・・・」

あたしは那抖の肩にもたれかかった。




なんだかイイキモチ・・・






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――「紗茅。紗茅!」




「ん〜?」




「おまえ、どこでも寝る奴だなぁ」




睡眠不足のあたしは不覚にも、初めてのデートで眠ってしまった。




「あいたたた!
 あたしなんてことを!」




「ハハハ、
 気持ち良さそうに寝てたけど、
 お嬢さんもう閉館ですよ〜♪」




「え〜?ほんとにぃ?」




「帰ろっか」




那抖がお子様ランチの旗を振っていた。




「あー!ほんとに旗持って来てる!」




「おー!初お子様ランチだからな♪」




「初だったの?」




「父ちゃん、
 昔っから外食とかしねぇしな」




「そうだったんだぁ」




「俺の子供ができたら、腹いっぱ
 い食わせてやるんだ♪ってぇこ
 とで、いまさっきの約束を
 帰ってしましょうかねぇ♪」




「え〜?なんだっけぇ?」



「忘れたとは言わせねーぞ!」




「一眠りしたら忘れたぁ。
 ふぁーあ・・・
 また帰って寝よ〜っと♪」



「俺も一緒に寝るぅ♪」



「ダメ!」

「寝る!」

「ダメ!」

「寝る!」



また二人は言い合いながら帰った。
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