折れない心
そこには那抖と名雪に宛てたメールが保存されていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
那抖へ。
ごめんね。
あたしを許して下さい。
あなたを愛してました。
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名雪へ
名雪。あたし強くなかった。
名雪の気持ちとかがやっとわかった。
悲しい気持ち、淋しい気持ち、空虚な気持ち。
あなたは生きて下さい。パパもママもいるから生きて下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━
ありがと。
二人とも心配してくれて。
さよなら。
フェンスをよじ登り、ほんの15センチほどしかない所へ足を下ろした。
フェンスを背にまっすぐと立ち深呼吸した。
目を閉じママの顔を思い浮かべた。
雨が次第に激しくなってきた。
小刻みに体が震えだす。
雨と共に涙が頬を伝う。
『怖いの?紗茅。』
自分に問いただす。
フェンスを持ったまま、少しだけ足を前にずらした。
「紗茅ー!」
下から誰かが叫んだ。
「紗茅ー!何やってんだよ!」
那抖の声だ。
どうしてここが・・・?
怖くて、怖くてフェンスから手が離せない。
この手を離せば楽になれるのに。
――バタンッ!
「さっちゃーん!」
後ろを振り向いた瞬間、濡れた地面のせいで足が滑った。
「う・・・っあ・・・」
「イヤ――――――――――!
さっちゃ―――――――ん!」
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那抖へ。
ごめんね。
あたしを許して下さい。
あなたを愛してました。
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名雪へ
名雪。あたし強くなかった。
名雪の気持ちとかがやっとわかった。
悲しい気持ち、淋しい気持ち、空虚な気持ち。
あなたは生きて下さい。パパもママもいるから生きて下さい。
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ありがと。
二人とも心配してくれて。
さよなら。
フェンスをよじ登り、ほんの15センチほどしかない所へ足を下ろした。
フェンスを背にまっすぐと立ち深呼吸した。
目を閉じママの顔を思い浮かべた。
雨が次第に激しくなってきた。
小刻みに体が震えだす。
雨と共に涙が頬を伝う。
『怖いの?紗茅。』
自分に問いただす。
フェンスを持ったまま、少しだけ足を前にずらした。
「紗茅ー!」
下から誰かが叫んだ。
「紗茅ー!何やってんだよ!」
那抖の声だ。
どうしてここが・・・?
怖くて、怖くてフェンスから手が離せない。
この手を離せば楽になれるのに。
――バタンッ!
「さっちゃーん!」
後ろを振り向いた瞬間、濡れた地面のせいで足が滑った。
「う・・・っあ・・・」
「イヤ――――――――――!
さっちゃ―――――――ん!」