折れない心
目を開けると、目の前は真っ白だった。





・・・ここどこ?





「さっちゃん・・・?
 さっちゃん・・・わかる?」





まだ頭が朦朧としているあたしの顔を、名雪が覗き込んだ。





「名雪・・・あたし・・・」






逝けなかったのか・・・






「んん・・・ツッ!」




頭がズキズキする。




体中が痛くてなかなか動かない。





あたしが目覚めたのは、病院へ運ばれて二日目の朝だった。





「さっちゃん・・・ごめんね!
 名雪が呼んだから!」





名雪があたしの手を握りしめ泣いていた。





「違うって...」





どうにか名雪に笑顔で答えようとしたけど笑えなかった。





名雪が握ったあたしの左手の薬指には、あたしを責めるかのように指輪が光っていた。





那抖がいないな。





仕事かな・・・





気になりながら、また眠気を感じたあたしは、そのまま目を閉じた。
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