折れない心
那抖は、それから三日間も眠り続けた・・・




「吉岡さん、風岡さんの
  意識回復しましたよ」




看護婦さんがあたしに教えに来てくれた。




少しだけと言う約束で会うことができた。




「那抖!よかった!
 ごめんね・・・
 あたし・・・ごめんなさい」




「紗茅・・・よかった。
 マジ、よかった・・・」




那抖は左手を出し、弱い力であたしの手を握った。




「もうこれ以上心配させん
 じゃねぇぞ。俺、若ハゲ
 になっちゃうじゃねーか」




那抖はそう言って、優しく微笑みながら涙を流した。





二週間後、あたしの怪我の方が軽かった為、先に退院となった。




次の日には、当たり前のように病院の那抖に会いに行った。




「那抖!来たよー♪」




「あっ、あぁ・・・」




「どうしたの?」




那抖はぼんやりしてるような、何か考えてるような顔をしていた。




「おまえ、もう来んな・・・」



「何言ってんの?頭でも打った?
      あっ・・・ごめん」




「とにかく、もう来るな」




「どうしてよ!
 理由を言ってよ!」




「おまえの顔なんか・・・
   もう見たくない」




「本気で言ってんの?」




「あぁ・・・」
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