折れない心
「そんなに変わったかな?」

日向さんはちょっと苦笑いした。




「うん。別人だよ」




「さっちゃんは、
 ビジュアル系が好きだろ?」




「なんで知ってるの?」




「仕事中にコンビニで、それ系の
 本立ち読みしてたからさ」




「え!見てた?」




「だから変身したんだよ。
 さっちゃんのおかげ。
      ありがとう」




「え?どういたしまして」

あたしは意味もわからず返事をしてた。




――それから20分ぐらいでお洒落なお店に着いた。




「ご予約のお名前は?」




「日向です」




「お待ちしておりました。
 どうぞお預かりいたします」




ウェイターさんが上着を預かってくれた。




うっわぁ、緊張する・・・




「さっちゃんリラックスしてよ。
 俺だって二回目なんだから」




「そうなんだ!」




アルコールが駄目なので、ジュースで乾杯した。




「では、さっちゃんとの
 出会いに乾杯!」




あたしと日向さんとの間のグラスは、セピア色でキラキラとしていた。
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