折れない心
あぁ眠いなぁ。

このままここで眠りたい・・・

帰るのめんどくさい。


でも、やっぱ夜の病院って恐いなぁ・・・


あたしは閉じてた目を開け、目だけキョロキョロさせて少し身震いした。


確実なんか出そうな雰囲気の静けさだ。


「あの人何歳なんだろ・・・」


シーンとした病院に何かが聞こえてこないように願った。





「俺っ?俺18ぃ〜♪」


その声と共に、背後から顔がにょきっと出てきた。




「ンッ・・・・・・ギャアアアアアッ!」





「シーーーッ!看護婦さんが来るって!」

あたしの口は手で塞がられた。


「ふっがっ!びっびっくりしたぁ!心臓が!心臓が止まるかとっ!」


「ヒヒヒ!」

鼻の下を擦りながら、してやったりの顔をする。


「もーっ!しっしかも早いっ!早過ぎるでしょっ!」

「うちの父ちゃんも寝てたよ」


「いや、それにしても・・・はぁぁ、寿命縮まった」



「俺、那抖!そっちは?」

「なつ?へぇ、珍しい名前・・・あたしは紗茅だよ」


「さち・・・?可愛い名前じゃん!じゃあ。さっちゃんな♪何年生?」



「ぴっちぴちの高校二年生」


「じゃ送って帰る!夜道危ないからな!」



「うっ、うん・・・」

流されたし、とてもNOとは言えない笑顔でそう言われた。
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